「tub☆スピ〜チ!」第12話「ボノヲタの憂鬱?」

先日のBuono!コン、もちろん楽しかったんだけど
例えばいちばん最初の1周年記念ライブ、つづく「ハイブリッド☆パンチ」に比べると
あまり評判がよくありません。
もちろん最初のライブは「これっきりかも?」という危機感とプレミア感もあったうえに
当時の持ち歌全部をフルコーラスで披露という豪華さ。
「ハイブリッド〜」は一ヶ所とはいえ初のホールコン、
最高傑作のひとつ「ゴール」をはじめとした2ndアルバム曲も含む構成で
衣装やステージもしっかりしておりまさに「魅せて」くれました。


それらに比べると今回のライブはトータルの時間が短かったことに加えて
セットリスト的にどうもやっつけっぽい感が否めないのは確かです。
ただこれは当時のレポに書いたようにスケジュール的に厳しいのを考慮すれば
やむを得ないし、そのあたりはファン側も多分わかってると思われます。
でもなぜ不満が出るのか・・・その大きな理由は



つんく♂さんが絡んでる曲が増えてきたから



でしょう。
前回の「ハイブリッド〜」では「co・no・mi・chi」1曲のみ、
今回は「MY BOY」「TAKE IT EASY!」の2曲(「「co・no・mi・chi」はなし)。
シングルがここ3曲とも三浦徳子つんく♂さんのコンビで
ファン側には今後もこのまま?もしかしてアルバムにも侵食してくるんじゃないの?
・・・という危機感が凄く強いです。

でもホントにつんく♂さんが悪いのか?というのが今回のテーマですw
ということで狼より抜粋、編集したシングル曲スタッフ一覧がこれ。



2007/10/31 「ホントのじぶん」 作詞:岩里祐穂/作曲:木之下慶行/編曲:西川進
2008/02/06 「恋愛ライダー」 作詞:岩里祐穂/作曲:AKIRASTAR/編曲:西川進
2008/05/14 「Kiss!Kiss!Kiss!」 作詞:岩里祐穂/作曲:井上慎二郎/編曲:西川進
2008/08/20 「ガチンコでいこう!」 作詞:岩里祐穂/作曲:ムラマツテツヤ/編曲:西川進


2008/11/12 「ロッタラ ロッタラ」 作詞:岩里祐穂/作曲:井上慎二郎/編曲:西川進
2009/01/21 「co・no・mi・chi」 作詞:三浦徳子/作曲:つんく/編曲:AKIRASTAR・中山信彦
2009/04/29 「MY BOY」 作詞:三浦徳子/作曲:つんく/編曲:西川進
2009/08/26 「Take It Easy!」作詞:三浦徳子/作曲:つんく/編曲:西川進



現時点でシングルは合計8枚リリースされています。
Buono!は「しゅごキャラ!」のEDテーマを歌うユニットとして結成されたわけで
その元となる番組は昨年10月より「しゅごキャラ!!どきっ」にリニューアル。
番組自体もよりポップというかより低年齢層向きにシフトした感があります。
その「〜どきっ!」第1弾となるのが「ロッタラ ロッタラ」ですが
この曲のリリース時もあまり評判がよくなかったと記憶しています。

それまでどちらかというと黒系の衣装、ロック色の強い楽曲と方向性でしたが
いきなりのアイドルチックな衣装と振付に戸惑う人多し。
そして上の表のとおりそれ以降は作詞作曲コンビが大幅に入れ替わってます。


ただここで誤解がないようにしておきたいのは
Buono!のプロデュースはあくまでもポニーキャニオン側だということ。
ロッタラ ロッタラ」からの方向性の変更は
あくまでも番組との連携を意識したものだと思われます。
そしてそれ以降が問題となる?三浦&つんく♂コンビとなるわけですが
このあたりも「次なるBuono!の方向性」を模索していたのかなと思うわけで。


実際スタッフクレジットを見るとアレンジはほぼ一貫して西川進氏が担当
co・no・mi・chi」 のみ違いますがこの二方もBuono!に深くかかわってきた人たちです。
でもこう並べて見ると「co・no・mi・chi」 だけ異色かも。
西川氏のアレンジはかなりギターが前に出てきますがAKIRASTAR氏はそうでもない感じ。
実際西川氏は自分でギター弾いてますからね。
ところでAKIRASTAR氏は先日のZepp Tokyoに来ていたようです(こちら)。


また録音スタジオ(ミキシングスタジオ)も従来と変わっていないことから考えると
三浦&つんく♂コンビはあくまでも作詞作曲の逆外注(?)ということでしょう。
つまりBuono!の次の方向性、可能性を求めて
ポニーキャニオン側から2人に依頼した」と考えるのが妥当かと。

つんく♂さんがあとから「オレにも利権に絡ませろコノヤロー」と
介入してきたという説も根強いですが(w、
つんく♂さんの公式ブログにはプロデュースワークとしてのBuono!の名前はなく、
また楽曲コメントも私が探した限り多分ない・・・はず。
(最初にユニットを作った時のコメントぐらいかな)
ただ「あまりやる気がない」という説に対してはむしろその裏づけになるかも???



あとつんく♂否定派に対して一番引っかかっていることは
「聴いただけでつんく♂の曲だってホントにわかるのか?」ということ。
情報リークの順番って大体の流れとして


発売日ケテーイ → タイトルケテーイ → c/w等詳細ケテーイ
→ ラジオ等で音源出るor番組でEDとして放送 → Dohhh UP!公開


って感じになるかと思いますが
おおむね「詳細決定」のところで作詞作曲編曲が出ることが多いです。
つまり音が出る前に誰が作ったかがわかってしまうわけです。
そしてその結果「え〜またつんく♂かよ〜」というフィルター、思い込みが
かかった状態で聴いて正しい判断ができるのかどうか、ということです。

もっと言えば、もし制作スタッフがわからずただ曲を聴いただけで
「あ〜これめっちゃええ曲やん!」って思ってたのに

「作曲:つんく♂」とわかった途端に評価が変わるとか???
そういうこと絶対にないって自信を持って言える人います?



私はそれなりに音楽に関わって生きてきましたけど
特にBuono!に限って言えばアレンジは従来色が濃いので
誰の作曲かを聴いただけで推測するのは結構難しいほうだと思います。
いちおうつんく♂さんが作るメロディーの特徴というかクセ、傾向として
次のようなものがあります。


1.曲中で転調する場合、基本平行調だけど
  それ以外として「平行調同主調」というパターンも多い
2.短調系の場合、特に下降形の進行の時
   階名で「シ」と「ファ」を抜く傾向がある
3.連続したメロで音程で5度以上の跳躍を使う事は少ない
4.Bメロ→サビへのつなぎでコード進行としては掟破りである
   ドミナントサブドミナントという進行を時々使う(例:ラブマ)


もちろん全ての曲に関して検証したわけではありません。
ぶっちゃけいくつかの作品を脳内再生してみたら
おおむね傾向としてこんな感じになるかなと(←ヲイヲイw)。
とりわけ2.の「シ」と「ファ」を抜くメロディーとなると
結果として日本音階の陽音階に近いものになります。
(ロック的に言うと「マイナーペンタトニックスケール」でもあるわけですが)
つんく♂さんがしばしば「日本的」「演歌的」とされるのは
これのせいではないかと勝手に考えているわけですがさてさて・・・。

ちなみに1〜3.については皆さん中学までの音楽の授業で習ってるはずです。
多分言葉の響きとしてなんとなく記憶があるけど意味ワカラン状態だとw
まあ実生活では何の役にも立ちませんから当然です。
ある意味サイン・コサイン・タンジェントみたいなものでしょうか。


またこう言う屁理屈を並べたところであくまで「傾向」であって
全てに当てはまるわけではなく当然例外も多数あります。

私は楽器に関する知識はある程度あるほうなので
「アレンジが誰々っぽい」ていうのは当たることが多いですが
作曲者について私でも曲を聴いただけで当てるというのは難しいです。
「MY BOY」はいわゆる「つんく♂節」的なフレーズが散見されますので
作曲者を伏せていても先に多分「これつんく♂さんかも?」と気づいたでしょうけど
co・no・mi・chi」「Take It Easy!」についてはかなり難しいですね〜。
「あとで言われたらそうかもしれない」ぐらいの感じ、です。
ちなみに先日のライブで発表された超新曲「Buono!のテーマ」、
現時点でこの曲のみ誰が書いたかまだ発表されてません。
私はつんく♂さん作曲ではないと推測しますが・・・ハズレたらどうしましょww
メロはAKIRASTARさん、アレンジは西川さんっぽいですが。



ただBuono!は初期に神曲を連発してしまったので
後が苦しくなってるという印象は確かにあります。
特に「恋愛ライダー」は本当に凄い。あれは10000回リピートに耐えうる曲です。
ただ最近の曲がどうのこうのというのがつんく♂さんのせい、ってのは 
ちょっと短絡過ぎるんじゃないかなと思うわけで。

また初期からのボノヲタさん(私もだけどw)の期待が大きすぎるし、
といってポニーキャニオンスタッフの才能だって無限ではない。
だからこそいろいろ策を講じてるんだけど今一歩、って感じでしょうか。
個人的に「Take It Easy!」はかなり好きです。まさに新境地。
それにこれ、生バンドでやると結構印象変わるんじゃないかなって。
ライブ「ハイブリッド☆パンチ」で「ロッタラ〜」を生バンドでやって
評価が急変しましたが、つんく♂作品もナマでやるとまた違ってくるのでは?


というわけで。

いろいろ書いてますけど音楽って結局は聴く人の印象、好みですから
なんとも言えません。ただ
つんく♂だからダメ」みたいな簡単な図式で語るのはどうかなと。
音楽を聴くうえでスペックや情報は関係ない、というのが私の信条です。
そのあたりは大昔にエッセイもどきを書いたことがあるので
興味がある人は読んでみて下さい。ただし長いですよww
「音楽の価値は」その1)(「音楽の価値は」その2