「帰還」と「死守」、比較検討。

スタッフと出演者は一部を除き全く別となるふたつの「劇」ですが
実は微妙につながっています。


「帰還」がタイムスリップするのは1553年。
(パンフレットより、劇中でもそう言ってたと記憶)
場所は甲斐の武田と越後の上杉に挟まれた小国、美麗。
この国は歴史上残っていないのでたぶんそのうち消滅・・・。
ただし地理的には山姥堂が近い、ということで
「死守」とほぼ同じ場所だと思われます。


駐屯地に山姥一族が食料を狙って襲撃するシーンがあります。
隊員が打ち払うのですがその時の一族の一人のセリフ。


つぶらが腹を空かせて待っているというのに!」


これを聞いて彼らに食料を渡します。
彼らは感謝してその場を去ります。


そして「死守」がタイムスリップするのが1560年。
(パンフに記述はないけど今日見てきたので間違いないw)
この時若月隊は山姥一族・・・つぶらを助けます。
そして不動が若月に「再び会えた」「つぶらを二度助けてくれた」と。
若月はもちろん私も意味がわからなかったのですが
不動はかつての恩義を思い出したのでしょう。



つまり「死守」は「帰還」の7年後。
美麗は「帰還」のラストを見る限りやはり国として滅びたのでしょう。
そして上杉家がそこに侵略し山姥一族と戦争状態に。
つぶらが腹を空かせて・・・」と言ったのはつぶらの父親のようです。
(劇場パンフより)
そのつぶらの父はその戦争の途中で命を落とした、と。
そして不動は強い「彼女たち」が再び現れたのは天の救いだと。


いっぽうの上杉家はお家騒動で混乱していて
長尾景虎は「武家として命運尽きた」と思っていたところ
若月隊と遭遇、以下「死守」のストーリー展開へ、となります。



あと「帰還」と「死守」では対になってるものもあります。



自衛隊員が人を撃たない「帰還」、撃つ「死守」
これは少し上で述べたとおり。



・元の世界(現代)へ帰れる「帰還」、帰れない「死守」
当然結末としてハッピーエンドか、そうでないか。



・歴史への介入の結果、人が増えた「帰還」、減った「死守」
「帰還」では本来別れるはずであった麗と義明をくっつけたので
後に現代へ帰還した時に麗そっくりの自衛隊員が一人増えてる・・・。
おそらくはふたりの子孫、という設定なのでしょう。
「死守」はもともと4人のはずが3人へ・・・(涙。



・目的を達した「帰還」、できなかった「死守」
「帰還セヨ」はそのとおり現代に戻れましたが
「死守セヨ」では守りたいものを「死守」できなかった・・・。



とまあこんなところでしょうか。
正直「死守」だけでも充分ですが
できればふたつ見たほうがよりおもしろいのは間違いないです。
次回は「死守セヨ」千穐楽の感想を。